施設入所中高齢者への高カルシウム・高たんぱく質介入による転倒・骨折予防効果

施設入所中高齢者への高カルシウム・高たんぱく質介入は転倒・骨折リスクを低下させる


大腿骨近位部骨折に代表される脆弱性骨折の予防は,高齢化社会において重要課題です.

オーストラリアでは,大腿骨近位部骨折の約3割は施設で発症すると報告されており,施設における転倒予防は喫緊の課題です.

今回は,BMJから報告された施設入所中高齢者への高カルシウム・高たんぱく質介入による転倒・骨折予防効果を検証したクラスターRCTをご紹介します.


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研究デザインは2年間のクラスターRCTとし,オーストラリアの高齢者ケア施設で主に歩行者を収容している60施設が包含されました.

介入施設(30施設)は,カルシウム562mg/日,たんぱく質12g/日を含む牛乳,ヨーグルト,チーズを入所者に追加提供しました.

コントロール群(30施設)では通常のメニューとしました.主要アウトカムは 骨折,転倒,全死亡が設定されました.


結果

介入により,全骨折は33%減(121203,ハザード比0.6795%信頼区間0.48-0.93P=0.02),大腿骨近位部骨折は46%減(42930.540.35-0.83P=0.005),転倒は11%減(187924230.890.780.98P=0.04)のリスク減少が認められました.

大腿骨近位部骨折と転倒のリスク減少は,それぞれ5ヵ月後(P=0.02)と3ヵ月後(P=0.004)に有意になりました.

死亡率は変わりませんでした(9001074、ハザード比1.010.43-3.08).



安価で容易に入手できる乳製品を日常の食事に追加することで,カルシウムとたんぱく質の摂取量が増加し,高齢者施設入居者の転倒や骨折のリスクを減少させることが明らかになりました.

診療に汎化できる非常に重要な研究であると考えられます.


参考文献

Iuliano S, Poon S, Robbins J, Bui M, Wang X, De Groot L, Van Loan M, Zadeh AG, Nguyen T, Seeman E. Effect of dietary sources of calcium and protein on hip fractures and falls in older adults in residential care: cluster randomised controlled trial. BMJ. 2021 Oct 20;375:n2364. doi: 10.1136/bmj.n2364. PMID: 34670754.


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