フレイルと動脈硬化①

「フレイル」は加齢による心身の虚弱の状態を表した言葉であり、テレビや本でも取り上げられるようになってきています。

しかしフレイル以上に知られている言葉として「動脈硬化」があります。

動脈硬化とは、血管が硬くなって柔軟性が失われている状態であり、分かりやすくいえば「血管の老化」です。


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動脈硬化には肥満、高血圧、脂質異常、糖尿病などさまざまな危険因子が関係しており、多くの患者さんの場合、これらが複合的に重なって動脈硬化を起こしていると言われています。


動脈硬化とフレイルの関連については、加齢に伴い進行するという点において一致しており、両者の相関性についてもさまざまな基礎研究・臨床研究から徐々に明らかとなってきています。


例えば、Avila-Funesらは2014年にフランスの入院歴のない65歳以上の高齢者9,294人を対象として頸動脈エコーを行いIMTIntima-media thickness)を測定した結果、フレイル群は非フレイル群と比較して有意にIMTが肥厚している(p0.04、オッズ比1.15 95%信頼区間1.02-1.32)ことを報告しています。


またLinらは台湾の65歳以上の高齢者1,036人を対象にPVDperipheral vascular disease)とフレイルの関連を検討しており、それによると、ABI0.9PVDとしたところPVD群において有意にフレイル率が高かったと報告しています(12.2% vs 35.1%p0.001)。


動脈硬化が進むと、脳出血や大動脈解離、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など、さまざまな重篤な病気につながってしまう可能性があります。


では、動脈硬化の改善・予防のためにはどのようなことに気をつければよいでしょうか?

そのことについては、また次の機会にお話ししたいと思います。


【参考文献】

Avila-Funes JA, Meillon C, Gonza`lez-Colaco Harmand M, et al. Association between frailty and carotid central structure changes: Three-City Study. J Am Geriatr Soc 2014; 62: 1906-11.

Lin CH, Chou CY, Liu CS, et al. Association between frailty and subclinical peripheral vascular disease in a community-dwelling geriatric population: Taichung Community Health Study for Elders. Geriatr Gerontol Int 2015; 15: 261-7.


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