日本食摂取と認知機能および腸内細菌叢の関連性

日本食摂取と認知機能および腸内細菌叢の関連性を紹介します。


伝統的な日本食の摂取は障害発生予防や死亡率低下などに有効であることが報告されています。

今回は、日本食の摂取と認知機能および腸内細菌叢の関連性を調査した研究をご紹介します。


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Sajiらは、認知機能低下と腸内細菌叢の関連性に対して食事組成が影響するかどうかを調査しました。

85名(女性61%、平均年齢74.6±7.4歳)を対象に、食事組成は先行研究で報告された日本食指数(Japanese Diet Index)を用いて評価しました。

認知症患者は非認知症患者と比較してJDIスコアが低く、伝統的な日本食を食べている参加者で腸内細菌代謝物濃度が低いことがわかりました。


著者らは、伝統的な日本食の遵守は認知機能の低下と逆相関し、腸内細菌の代謝産物濃度が低い傾向にあったと結論づけています。



Naoki Saji, Tsuyoshi Tsuduki, Kenta Murotani, Takayoshi Hisada, Taiki Sugimoto, Ai Kimura, Shumpei Niida, Kenji Toba, Takashi Sakurai. Relationship between the Japanese-style diet, gut microbiota, and dementia: a cross-sectional study. Nutrition. 2021: 111524. Doi: 10.1016/j.nut.2021.111524.