日本食摂取習慣の変化と認知症の発症リスクの関連性

日本食摂取習慣の変化と認知症の発症リスクの関連性について紹介します。


日本食摂取は認知症リスクの低下と関連することが報告されています。

しかし、日本食摂取習慣の変化が認知症リスクの変化にどのような影響を及ぼすかは不明でした。

今回は、日本食摂取習慣の変化が認知症リスクに及ぼす影響を調査した研究を紹介します。


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Luらは、1994年から2006年に大崎市に住む地域住民の高齢者を対象に調査しました。

日本食摂取の指標はJapanese Diet Index (JDI) 8を用いて評価しました。

JDI8スコアの1994年から2006年の変化をもとに者を「大幅な減少」、「中程度の減少」、「変化なし」、「中程度の増加」、「大幅な増加」の5つのグループに分類しました。

観察期間中に231名の認知症発症が確認されました。

JDI8スコアが変化しなかった場合と比較してJDI8スコアが大幅な増加をした場合、認知症リスクのhazard 0.62でした。

一方、JDI8スコアの大幅な減少は変化しなかった場合と比較してhazard1.72でした。


著者らは、日本の高齢者において、日本食の摂取量の増加は認知症発症リスクの低下と関連し、摂取量の減少はリスクの上昇と関連していたと結論づけています。


Lu Y, Matsuyama S, Sugawara Y, Sone T, Tsuji I. Changes in a specific dietary pattern and incident dementia: A prospective cohort study. Clin Nutr. 2021 May;40(5):3495-3502. doi: 10.1016/j.clnu.2020.11.036. Epub 2020 Dec 5. PMID: 33342602.


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